送料込みの利益計算方法|送料無料と送料別でいくら変わる?
ネット販売では、商品が売れても送料・梱包費・販売手数料を差し引くと、思ったほど利益が残らないことがあります。特に「送料無料」と「送料別」は、商品価格が同じでも出品者に残る金額が変わります。
この記事では、出品者が送料を負担する場合と、購入者から送料を受け取る場合を、架空の数字で比較します。販売サービスによって手数料の対象や端数処理が異なるため、実際の計算では利用中のサービスの規約を確認してください。
最初に確認:送料は誰が負担する?
- 送料無料・出品者負担:購入者から受け取るのは商品代金のみ。出品者が配送会社へ支払う送料は、販売1件ごとの費用として差し引きます。
- 送料別・購入者負担:商品代金に加えて送料を受け取りますが、出品者も配送会社へ送料を支払います。受取送料と支払送料が同額なら原則相殺されます。ただし、受取送料にも販売手数料がかかる場合があります。
- 送料込み価格:商品価格に送料相当額を含めている場合、出品者が配送費を支払う点は送料無料と同じです。送料を別に受け取っていないなら、売上に二重加算しません。
送料を含めた1件あたりの利益の計算式
ここでの「限界利益」は固定費を引く前の金額です。月間利益を求めるには、1件あたりの限界利益に月間販売数を掛け、家賃・ツール代などの月間固定費を引きます。
手数料が「決済対象額の5%+1注文40円」のような方式なら、何を決済対象額に含めるかが重要です。送料を含むかどうかはサービスごとに異なります。
具体例:3,000円の商品を月50個売る場合
以下は計算のための仮定であり、特定サービスの手数料体系を示すものではありません。1注文1商品、送料350円、商品代金3,000円、月間販売数50件とします。
| 項目 | 仮の条件 |
|---|---|
| 商品代金 | 3,000円 |
| 材料・仕入費 | 900円/件 |
| 梱包費 | 100円/件 |
| 実際の送料 | 350円/件 |
| 販売手数料 | 決済対象額の5%+40円/件 |
| 月間販売数 | 50件 |
| 月間固定費 | 20,000円 |
ケースA:送料無料で出品者が350円負担
購入者から受け取るのは3,000円。手数料の対象が商品代金のみなら、手数料は3,000×5%+40=190円です。
1件あたりの限界利益は、3,000−900−100−350−190=1,460円。月50件販売した場合、1,460×50−20,000=53,000円が月間利益です。
ケースB:送料350円を別に受け取り、手数料は送料にもかかる
購入者の支払総額は3,350円。出品者も350円を配送会社に支払うため、送料の受取と支払は相殺されます。ただし手数料は3,350×5%+40=207.5円となる仮定です。
1件あたりの限界利益は、3,350−900−100−350−207.5=1,792.5円。月50件なら、1,792.5×50−20,000=69,625円となります。
この例では送料別の方が月16,625円多く残ります。ただし、購入者が支払う合計金額も3,000円から3,350円に上がっています。売れ行きが同じとは限らず、どちらが有利かは価格の見せ方や需要によって変わります。
| 比較 | 送料無料 | 送料別 |
|---|---|---|
| 購入者の支払総額 | 3,000円 | 3,350円 |
| 手数料(仮定) | 190円 | 207.5円 |
| 1件あたりの限界利益 | 1,460円 | 1,792.5円 |
| 月50件・固定費控除後 | 53,000円 | 69,625円 |
※手数料に端数が生じる例です。実際の請求額は販売サービスの円未満処理や税区分で変わります。
送料無料にするときは、価格と販売数をセットで考える
送料別3,000円+送料350円から、送料込み3,350円へ変更した場合、購入者の支払総額は同じです。手数料が支払総額にかかる条件なら、1件あたりの利益も同じになる計算です。一方、送料別3,000円をそのまま送料無料にすると、購入者の負担は下がりますが、出品者の利益も減ります。
送料無料にしたことで販売数が増える可能性はありますが、その増加を当然の前提にはできません。価格と販売数の組み合わせをいくつか試算することが大切です。
無料シミュレーターに送料をどう入力する?
値上げ・利益シミュレーターでは、商品価格・変動費・手数料率・定額手数料を入力できます。送料を別に受け取らず、出品者が負担するケースなら、材料費・梱包費・送料の合計を「1件あたり変動費」に入力してください。
送料別で購入者から送料を受け取る場合は、受取送料と商品代金を合算した金額を単価に入れる方法もありますが、その金額全体が同じ手数料率の対象であり、1件につき送料を1回受け取ることが前提です。受取送料と実際の送料の両方を整理し、変動費に実際の送料を含めます。複数商品をまとめて発送する注文や、送料だけ手数料対象が違う場合は、この単純な試算と一致しないことがあります。
送料を含めた条件から目標利益に必要な売価を考えたい場合は、販売価格の逆算ツールも使えます。販売手数料の計算方法では料率・定額手数料を詳しく解説しています。
送料の利益計算で間違えやすい点
- 材料費だけを引き、梱包資材や発送費用を忘れる
- 購入者から受け取った送料を売上に含めず、実際の送料だけ引いてしまう
- 受取送料にも手数料がかかるのに、商品代金だけで手数料を計算する
- 送料や販売手数料を変動費と別の入力欄で二重に引く
- 1注文に複数商品が含まれるのに、注文単位の手数料を商品ごとに計上する
複数商品の価格を見直し、月次の実績を管理したい場合は、買い切りExcel版の機能・動作環境・購入前の注意点も確認できます。Excel版も送料を自動取得するものではなく、費用を整理して手入力する方式です。
※この記事は架空の条件による一般的な試算です。実際の手数料・送料・販売条件はご利用のサービスで確認してください。売上や利益の保証、税務・会計上の個別助言ではありません。