損益分岐点の計算方法|何個売れば赤字にならない?
「商品を何個売れば赤字を避けられる?」「価格を上げたら必要な販売数はどう変わる?」。そんな疑問を考えるための基本が損益分岐点です。この記事では、個人事業主やネットショップ運営者向けに、販売個数から求める方法を紹介します。
損益分岐点とは?
損益分岐点は、売上と費用が等しくなり、利益がちょうど0円になる水準です。販売個数で考えると、月の固定費を、商品1個を売ることで残る金額(限界利益)で回収できるかを計算します。
必要な販売数が小数になった場合は、実際に販売できる整数へ切り上げます。ただし、限界利益が0円以下なら、販売数を増やしても固定費を回収できないため、この式で黒字化に必要な販売数は求められません。
まず「1個あたりの限界利益」を求める
限界利益は、販売価格から販売数に応じて増える費用を差し引いた金額です。材料費や仕入れ費だけでなく、売上に応じた販売手数料も考慮します。
送料や決済手数料をすでに変動費に含めている場合は、別欄で重複して差し引かないようにします。詳しくは変動費・固定費・作業時間の整理を確認してください。
具体例:3,000円の商品なら何個売ればいい?
以下は計算方法を説明するための仮の条件です。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 販売単価 | 3,000円 |
| 1個あたり変動費 | 900円 |
| 販売手数料率 | 5% |
| 1個あたり定額手数料 | 40円 |
| 月の固定費 | 80,000円 |
1個あたりの手数料は3,000円×5%+40円=190円。限界利益は3,000円−900円−190円=1,910円です。
固定費80,000円÷限界利益1,910円=約41.89個なので、損益分岐点の販売数は42個。41個では1,910円×41−80,000円=−1,690円、42個なら1,910円×42−80,000円=220円になります。
この例では、42個売れれば月の利益が0円以上になります。ただし、実際の税金や在庫、借入返済などを含む資金繰りまで保証する数字ではありません。
値上げすると損益分岐点はどう変わる?
同じ条件で販売単価を3,300円に変更し、変動費・手数料率・定額手数料・固定費が変わらないと仮定します。新しい限界利益は3,300円−900円−165円−40円=2,195円です。
80,000円÷2,195円=約36.45個なので、損益分岐点は37個に下がります。値上げ前の42個から5個少なくなる計算です。
ただし、値上げで販売数が減る可能性もあります。損益分岐点が下がることと、実際の月間利益が増えることは別問題です。値上げ後に利益を維持できる販売数も合わせて確認しましょう。
損益分岐点を使うときの注意点
- 費用の範囲を揃える:送料・手数料の二重計上や計上漏れに注意します。
- 固定費の変化を見落とさない:販売規模の拡大で人件費や設備費が増えるなら、固定費も見直します。
- 複数商品は単純に合算しない:利益率や販売構成が異なる商品を扱う場合、単一商品の式をそのまま事業全体に当てはめられません。
- 「赤字でない」と「十分な収入」は違う:目標利益や自身の生活費、資金繰りは別途確認します。
自分の条件で損益分岐点を計算する
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※本記事の数字は説明用の例です。税務・会計上の個別判断や将来の販売数量の予測を行うものではありません。