ネットショップの利益計算|売上から何を引けばいい?
ネットショップの売上が増えても、原価や手数料、送料、広告費を差し引くと利益が思ったほど残らないことがあります。商品ごとの採算を確かめるには、売上から引く費用を「注文ごとに増える費用」と「月ごとにかかる費用」に分けて整理することが第一歩です。
この記事では、仮のネットショップを例に月間利益と損益分岐点を計算します。実際の販売プラットフォームの手数料率や送料を示すものではありません。
ネットショップの利益計算に必要な費用
- 商品原価:仕入れ・材料など、販売した商品に対応する費用
- 梱包・発送費:箱・資材・ショップ負担の配送費
- 販売・決済手数料:売上に対する割合と、注文ごとの定額費用
- 広告費:注文獲得に比例するものと、月額固定のものを分ける
- 固定費:ショップ運営ツールや月額サービスなど
送料を購入者から別途受け取る場合、売上と費用の両方にどう含めるかを統一しましょう。送料の二重計上を防ぐ考え方は送料無料・送料別の利益計算で説明しています。
具体例:3,000円の商品を月100件販売する
次は説明用の仮定です。売上・費用の基準は統一しているものとします。
| 項目 | 仮の条件 |
|---|---|
| 商品販売価格 | 3,000円 |
| 月間販売数 | 100件 |
| 商品原価 | 900円/件 |
| 梱包・ショップ負担送料 | 400円/件 |
| 販売手数料 | 売価の5%+40円/件 |
| 月間広告費・運営固定費 | 50,000円 |
売上は3,000円×100件=300,000円。1件あたりの販売手数料は150円+40円=190円です。1件あたりの変動費は原価900円+梱包・送料400円+手数料190円=1,490円となります。
1件あたりの限界利益は3,000円−1,490円=1,510円。100件分の限界利益151,000円から月の固定費50,000円を引くと、月間利益は101,000円です。
広告費を「月額固定費」として置いたのは、今回の例では月間予算が一定という仮定だからです。注文ごとに広告費が増える場合は、1件あたりの変動費として扱う方が実態に近くなります。
赤字にならない最低販売数は?
この条件では月間固定費50,000円を、1件あたりの限界利益1,510円で回収します。50,000÷1,510=約33.12件なので、34件が計算上の損益分岐点です。33件では固定費を回収しきれません。
詳しい考え方は損益分岐点の計算方法でも確認できます。
値上げしたら販売数が減っても利益を維持できる?
例えば3,000円から3,300円に値上げし、原価・送料・手数料率・固定費が同じと仮定すると、1件あたりの限界利益は3,300−900−400−165−40=1,795円になります。現在の月間利益101,000円を維持するために必要な販売数は、(101,000+50,000)÷1,795を切り上げて85件です。
これは売上予測ではありません。85件以上売れるかどうかは、価格への反応や競合状況などを別途検討する必要があります。
無料ツールでは現在の単価3,000円、変更後3,300円、1件あたり変動費1,300円、現在の販売数100件、固定費50,000円、手数料率5%、定額手数料40円を入力してください。変動費には販売手数料を重複して含めないでください。
利益が残らないときの見直し順
- 送料・梱包費や手数料の計上漏れ、二重計上がないか確認する
- 商品ごとの限界利益と販売数量を確認する
- 広告費のうち、注文獲得に使った分と固定費を区別する
- 値上げ・原価見直し・セット販売などを仮の数字で比較する
販売手数料の仕組みは手数料込みの利益計算、原価率の確認は原価率の計算方法を参考にしてください。委託販売も検討している場合は委託販売の利益計算も役立ちます。
商品数が増えたら月次で比較する
無料ツールは1商品ずつの試算向けです。複数商品の価格変更と月次実績を整理する場合は、最大20商品・12か月対応のExcel版の機能と購入前の注意点をご確認ください。Excel版も販売データの自動連携には対応せず、手入力で管理する商品です。
※本記事は一般的な試算方法を説明するもので、税務・会計の個別助言や売上・利益の保証ではありません。